MixedJuice姫に、なる
※ツアーは全く関係ありません
※ただし自己責任でお読みください
本当に、嫌だった。
ジャニーズWESTの曲を聴いているのに、恋人ばかり浮かぶのが。
ジャニーズWESTが歌う""僕ら""は、ジャニーズWESTであり、チームジャニーズWESTであり、ジャニーズWESTと私であり、チームジャニーズWESTと私なのに。
"君"は私で、ジャニーズWESTなのに。
"僕"はジャニーズWESTで、私なのに。
今まで私は、ジャニーズWESTという7人の侍と、それを取り巻くたくさんの仲間たちと、本当に強くて優しくて楽しいパーティーを組ませてもらい、最高に幸せな冒険をしながら生きてきた。
日常生活に潜む敵やモンスターが目の前に現れるたび、パーティーのみんなに守られ支えられながら、なんとか必死に戦い、倒して、たまにレベルアップして、今日まで命を繋いできた。
そうやって進んできた先で、私は魔王に出会った。
魔王はとてもいい奴で、楽しくて、気づけば私は魔王と付き合っていた。
魔王が恋人になった途端、その魔力で私の心は大きく支配され、パーティーのみんなとの大切な時間も奪われ、ついにはパーティーに対する想いや思い出までも塗り替えられそうになった。
恋人に出会えたのは、チームジャニーズWESTが私の人生を常に先へ進めてくれたからなのに、チームジャニーズWESTのことをそれだけ愛しているから私は恋人に出会えたのに、どうして魔王によって私は大好きなパーティーから攫われなければならないのか。
恋人ができたら推し活を卒業する人がいる。
その人の人生だから、それはそれで正解なんだと思う。
でも私は、恋人ができても推し活は卒業したくない。
私は7人の侍と、それを取り巻くたくさんの仲間たちと、どこまでも強くて優しくて楽しいパーティーで最高に幸せな冒険を続けていきたい。
だから、魔王には攫われたくない。
だけど、魔王とも一緒にいたい。
魔王の手を取ったのは、他でもない私だ。
魔王の魔力はいろんな意味で強力だから、今までの私を、これからのみんなを、一瞬で暗黒に葬り去ろうとする。
それが寂しくて、悲しくて、でもどうしようもないような気もして、救いを求めていたらシャッフルで『セラヴィ』が再生された。
変わってゆく自分も肯定して進んでいけばいいと、いちばんそれを言ってほしくないジャニーズWESTが私に歌った。
別れたくない人に別れを後押しされたようで、さらに複雑な気持ちになった。
やっぱりどの曲を聴いても恋人と私の関係に変換されてしまって、ジャス民の私が消されてゆくような感覚に陥ったとき、ふと『涙腺』が流れた。
『涙腺』は、どこまでもジャニーズWESTと私の、チームジャニーズWESTと私の歌にしか感じられなかった。
魔王の呪いが、急に解けた気がした。
その日の夜、私はジャニーズWESTの全曲をシャッフル再生しながら寝ることにした。
眠りにつく前に聴こえた曲も、目覚めてから聴こえた曲も、全部、ちゃんとジャニーズWESTとチームジャニーズWESTと私の曲に戻っていた。
『セラヴィ』は、変わりゆく私をこれからも肯定して応援し続けてくれる、決して私を離そうとしないジャニーズWESTの歌になった。
『サムシング・ニュー』は、一緒に生きてきた私を魔王に攫わせないと誓うジャニーズWESTの歌になった。
私はとりあえず、これからも恋人と付き合っていきたいと思っている。
だけど、同じくらい、もしかしたらそれ以上に、チームジャニーズWESTと生きていきたいと思っている。
だから私は、新たな味を取り込んで更に美味しくなった、MixedJuiceのような人間になりたい。
魔王と7人の侍、その両方の手を少しでも永く強く握りながら、自分だけの羅針盤を頼りにみんなと旅を続けたい。
「"MixedJuice姫"に!!!おれはなるっ!!!!」