理由なんてきっと

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桐山照史くんに転がされるblog

北女が蟹を食う〜札幌篇〜

楽しかったのであった。

それさえも言葉にするのがもったいないくらい、ただ、楽しかったということだけを思っていたいなう。

 

『雪女と蟹を食う』の札幌撮影地を、たまたま本州から来ていた中間担とまわった。

ロケ地マップを片手に、3時間半という限られた刻の中、徒歩圏内のスポットをひたすら目指し、そして蟹を食った。

 

 

中島公園から巡礼をスタートし、まずは北さん役のジャニーズWEST重岡大毅くんが寝転んでいたベンチを広大な公園から探し当てた。

友達はParaviでドラマ映像を流しながら映り込む現地のビルや木や土を頼りに、私はなけなしの土地勘とロケ地マップを照らし合わせ、ついに辿り着いたベンチだった。

 

仲睦まじい男女が、座っていた。

とても楽しそうで、私が写真家なら写真に、画家なら油絵にしたくなる光景。

だって目の前には綺麗な池があるし、それを見ながら幸せそうに談笑する中年の男女がそこにいたから………""そこ""に。

残念ながら私は写真家でも画家でもなく、ジャス民であった。

重岡くんが寝転んだベンチを見つけたい、座りたい、あわよくば寝転びたい、ガチヲタであった。

笑う、もしくはジャニーズWEST桐山照史くん顔負けの困り眉を見せ合うしかないヲタク2人は、人生の醍醐味を隣のベンチで噛み締めたといっても過言ではない。

男女を何度もチラ見しつつも、迷惑をかけない範囲でドラマと同じ画角のムービーを後ろから撮影してみたり、同じ形をした隣のベンチにグッズ化された重岡くんを寝かせて写真を撮ったり、本当に、最高で最善でシュールなベンチ巡礼となった。

思い通りにいってたら、あそこまで笑わなかったかもしれない。

思い通りにいかなくて、でも誰も悪くなくて、それが腹の底から面白みとして湧き上がってくる感覚が、今でもじわじわと頬を緩ませる。

 

 

その後私たちは、次々にロケ地を訪ねた。

空腹の北さんがマリアに出会ったセイコーマート、のホットシェフでカツ丼を見つめながらザンギを買った。

 

北さんがホテルを見失い、札幌という街で孤独を感じた瞬間の場所、すすきの。彼がキョロキョロしながら視界に入れたすすきの市場は、現在工事中によりその看板が足場で隠れていた。

 

マリアのスマホにお得意さんから警告LINEが来たのをたまたま見てしまった北さん、そのとき彼がいたオーロラタウン上の道を特定し、歩いてムービーを撮った。結婚式のムービー撮影だと自分に言い聞かせなければ耐えられないほど恥ずかしい時間も、撮影ボタンを押す直前に現れた巨大ダンボール台車のおかげで爆笑に変わった。

 

ロケ地マップの丸印とおそらく少し違った(けどドラマ映像と画角ぴったりの)大通公園某所*1で、テレビ塔ではなく北さんが走った残像、あと普通に綺麗だねって何も関係ない噴水をカメラに収めた。

 

北さんと彩女さんが共に過ごせず別れたCROSS HOTELを見ながら「ここに2人が…」「あのドアから北さんが…」と怪しく感激して、ついに残すは🦀のみ。

 

かに本家に到着したのは、友達が乗る電車の50分前だった。

北さんが札幌で蟹を食べようとしたお店、というよりは稚内で北さんと彩女さんが蟹を食べていたようなお店の個室で、高級料亭の仲居さんのような店員さんに時間のかからない料理を必死に教えてもらい、何度も頭を下げながら美味しそうな蟹料理をいくつか頼んだ。

「北海道人は蟹を食べているイメージだ」と最初に言ったのは誰なんだろう、私はあんなに身に沁みる蟹を食べたのは初めてだった。

私は確かにたまに蟹を食べて育ってきた、けれどその蟹はいつも毛ガニだった。

わしゃわしゃしてる触感の殻を必死にハサミで切って、たまに手も切って、なんとか身を皿に溜めてゆくことでやっとありつけるのが私の経験上の蟹で、テレビでよく見るプリップリの身にかぶりついて食べるタイプの蟹は、私の日常とはまるでかけ離れた夢の存在だった。

いつかあんな贅沢な蟹を食べてみたい、そう思いながら今日まで生きてきた。

 

北さんにとっては、その""いつか""が死ぬ前だったんだとわかった。

そして、この現実離れした夢のような食べ物を、時間を、思い出を、彼は生きた証として本能的に求めたんだと、かに本家の蟹が私に教えてくれた。

 

そんなことを考えている暇もなく、最後は5分で蟹ちらし寿司をかきこみ、謝罪するときの角度でお店に感謝をしまくって、今回の雪蟹聖地巡礼を締めくくった。

 

 

友達とは、3時間半も一緒にいながら特に深い話やヲタトークをする暇もなく(なぜかスパイファミリーの話を少しした)、とにかくロケ地巡りに命を懸けた。

帰りの駅まで早足で向かいながら、私は周囲に申し訳なくも声を出して笑ってしまった。

ヘンテコなヲタ活だった。

まるでテーマパークにでも行ったかのような満足感と、まるでチャップリンやMr.ビーンの映画のような滑稽感。

 

楽しかったのであった。

それさえも言葉にするのがもったいないくらい、ただ、楽しかったということだけを思っていたいなう。



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ちなみに、私は蟹の身よりも、かにみそ豆腐がすき。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【追記】11/14 リベンジあってこその1枚

 

 


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*1:4丁目だったかな?