理由なんてきっと

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桐山照史くんに転がされるblog

音楽劇マリウス is 最高の喜劇


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※ネタバレあり

 

 

 

今井翼くんの代役出演

そして初めての単独主演

 

ジャニーズWEST桐山照史くんが

一切の事情と責任を背負って座長を務めた

大阪松竹座の『音楽劇マリウス』

 

ついに、終わってしまいました

 

まずは、本当に、本当に、

本当に本当に本当に…

 

お疲れ様でしたーーーーーーー!!!!!!!

 

舞台を作り上げた方々、

舞台を盛り上げた方々、

あらゆる方々に感謝と労いと称賛を。

 

地震の影響で1公演だけ休演になったけれど、舞台を作る側の方々が舞台を楽しみにしていた方々のために命を削って振替公演を行い、そして舞台を盛り上げる側の方々が最善の努力と選択によって悔いなき思い出に変えた今回のできごと。

皆さんの『音楽劇マリウス』への愛を、とても大きな愛を感じることができて、それが私の『音楽劇マリウス』への愛を、深く深く、深く心に刻んでくれたのでした。

 

 

今回観劇したのは終盤の2公演*1なのだけど、1公演目と2公演目での舞台の印象が、なぜか、すごく違った。

 

 

まずは、1公演目の感想。

 

・とてもリアルな描写、あり得るお話

 

・レベルの高い人々の世界、照史くんが「出てくる人物、誰も悪い人がいない」と言ってたけど、ほんとにそのとおりだった。自分の想いを主張しながらも、それが常に他者を尊重した上でのものだった。みんな思い合っていた。みんながみんなの幸せを願いながら、自分の望みも叶えたい、叶えようと必死に葛藤し、悩み苦しんでいた。だからこそ、どうにもならないときの切なさが大きかった

 

・照史くん、本当にかっこいい、イケメン

 

・お願いだから右横顔をもうこれ以上見せないでくれと思った。理性が飛ぶ。右横顔はべらぼうに整っていて美しい。左横顔はとても人間らしく、少し粗さがあって、男くさい。それもまたいい。でも右の方がすき*2

 

・美織ちゃんファニーがめちゃめちゃかっこいい。肝が据わってる。声の使い方がうまいというか素敵というか。この物語はファニーが支えているように感じた。ファニー次第。でもとてもたくましくて、優しくて、ほんとは素直で、賢明で、懐の深い女性

 

柄本明さん、アドリブたくさんなんだと思う。でも全てちゃんと舞台におさまってる。あの世界に本当に生きてる。「俺の孫か」って台詞に心がグッときた。「あいつの子供か」じゃない、自分の孫という認識が真っ先に出てくる、温かい人

 

・カフェ店員マリウス。動きの一つ一つが、器用に仕事できる人そのものだった。めちゃかっこいい

 

・マリウスのファニーに対する接し方が、余裕のあるお兄ちゃんに見えたり、でも大事なときには信念の強いファニーにタジタジで尻に敷かれていた。常にファニーへの愛が感じられるやりとり。照史くんは愛情表現がうまい

 

・舞台が始まってすぐに、「映画を見てるみたい」と思った。場面の作り方とか、音の付け方とか。本当に同じ空間でやってるものを観てるのかなってくらい、舞台と客席の間に見えないスクリーンを感じた。そして役者さん一人一人がしっかりキャラ立ちしてて、アニメでも見てるようだった。声もみんななりきってて素敵

 

・目が足りなかった。注目すべき人たち以外のところでもずっとお芝居が続いてて、そっちも気になるし本筋も追わなきゃだし結構忙しかった

 

・掛け合いでクスッと笑えるところばかりで、山田洋次監督っぽかったけど、後半はストーリーが切なすぎてもう笑う余裕がなかった

 

・大学でフランス音楽を学ぶ授業を取っていた私にとって、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」がとても懐かしかった。ただ、今後この曲を聞いたときには切ない気持ちになってしまうに違いない…場面を思い出して

 

・大ちゃんのプティは二次元にしか思えないくらいキャラが確立されてた。役としてのニーズに応えるスキルがハイレベル。あと、プティは応援したくなるリア充

 

・ピコアゾー役の人、ごくせんのときは小さく見えたけど生で見たら小さくなかった(?)*3

 

・照史くん、脚が長い。身体が引き締まってて男らしく細い。ほんとに色男。全身いけめん。横を向いて演技を続けてたとき、その厚みがとてもちょうどよくて惚れた。演技だけじゃなく、体型作りやビジュも本当にプロ。絶対そこも含めて買われてる役者。衣装はファニーの家から朝帰りしたときのがいちばんすき*4

 

・照史くんの歌声、低い声はとても男らしくて、堂々とまっすぐ伸びていて、強くて。本気でディズニーミュージカルの人のように感じた。ミュージカルの仕事も今後来ないわけがない

 

・照史くんのフラメンコを見るたび胸にきて涙が目に溜まった。フラメンコをしっかり習得して熱くやり遂げる照史くんの姿、生き様がかっこよかった

 

・マリウスが海へ出ること、マリウスとファニーが結ばれたこと、その結果マリウスの子供をファニーが妊娠したことを、喜べない…全て切なさへ変えてしまう世間の常識や価値観が、ハッピーエンドを妨げてるようにも感じた。それからマリウスは覚悟が足りなかったのかも。ファニーとは一生を添い遂げられなくなる可能性があってそれでも海に出るという覚悟が。逆にファニーは全部わかってて、しかも自分の選択とその結果を肯定的に受け止めてた。ファニーの方が精神年齢はずっと大人。マリウスには先見性がなく、さらに目の前の結果を肯定的に受け止める器量もなかった。だからこの話は悲劇になってしまった

 

・松竹座の幕がオレンジであるおかげで余計助長されて開始と同時に目が潤んだ。そして1幕の最後の切なさにまたしんみり涙を溜めて、幕間も悲しさを引きずって、2幕始まったらすぐまた泣きそうになって、そしてマリウスとファニーが互いの想いを確かめ合うデュエットで涙を流してしまった。そして幕が降りた瞬間、号泣。カーテンコール中も涙が止まらず、物語の切なさと、照史くんが舞台の中央でたしかに座長として立っていたことが相まった。悲しいのか嬉しいのか、私はなんて人を好きになってしまったんだろう、自分なんかが好きになっていいようなレベルの人じゃないなあって感服して、いろんな感情が混ざって、それが涙になった…のかな?自分でも涙の理由がはっきりわからない

 

・カーテンコールの終盤、マリウスとファニーが二人で踊るフラメンコをみんなが楽しそうに盛り上げてる光景、それが本編では見られなかった二人のハッピーエンドだった。そこで少し救われた。こうだったらよかったなあっていう画そのものだった

 

 

1公演目は座席が1階11列の真ん中だったこともあり、舞台の全体感や空気感を重視して双眼鏡を覗かずに終えた*5

だから、演者の顔もはっきりとは見えなくて、それゆえ表情の演技を細かく読み取ることができなかった。

 

1公演目で一通り見ることができたので、2公演目は顔をもっと見ようと思った。でもそれは別に演技云々ではなくて、元々は超最強ビジュきりやまりうすを目に焼き付けるとしたら今回が最後のチャンスだと気づいたから。だけど、それが結果的にすごくよかった。音楽劇マリウスは、各キャラクターの表情が非常に重要な舞台に感じた。

 

 

…ということで、ここからは2公演目での印象も踏まえた私の『音楽劇マリウス』に対する印象と感情。

 

・マリウスがかっこいい、顔が、かっこいい

 

・1幕の平和な場面、ファニーを見るマリウスの目が、とてもとても優しくて、「ファニーを大好きな気持ち」がとてもとても溢れ出ていて、その顔を見ているだけですごく幸せだった。

ファニーがマリウスを見る表情にも、マリウスのそれと同様、マリウスへの恋心が溢れ出ていた。 改めて、本当に相思相愛なんだなあって思えた

 

・マリウスがパニスに嫉妬するシーン。マリウスは、距離が近いファニーとパニスの2人を睨みながら奥のカウンターで飲み物を作り、そしてパニスがファニーに煙草の火をお願いしたときに一言「自分でつけろよ」と苛立ちを吐いた。

この瞬間、照史くんがどれだけの声量でその言葉を発したのかが私にはわからない。だけど、双眼鏡を覗いていなかった1公演目では一切聞こえなかった、気づかなかった。2公演目のときだけ、私のレンズの中でアップになった彼が、彼の口の動きが、その声と言葉を私の目と耳に届けた。この場面、話しているのはファニーとパニスで、照史くんはあくまでメインを外れていた。でもその中でこれほど繊細な演技をして、その聞こえるか聞こえないかほどの絶妙な呟きをたしかに観客席に届けてくれた。このときの感動、それこそが私が俳優桐山照史を好きな理由なのかも…本当に、本当に繊細な演技を、自然に、完璧にできる人。大好き、大好きです、大好き…

 

・プティの大ちゃん、お肌がキラキラで、まるでかわいい陶器のようにツルっと輝いていた。タオルで拭いてるのに消えない顔のすす、すすが付いてるのに白くて綺麗な肌と顔。ジャニーズWESTのコンサートで初めて見たときから大ちゃんは、私にとって「キラキラかわいい王子様」

だけど、プティを演じている大ちゃんは、普段関ジュでセンターを張っているような先天的スターとはまた違う、俳優として着実にキャリアとスキルを積む職人のように見えた。プティと親方が仕事に戻る時間を、ほんの一瞬の演技で、時計への一瞥と落ち着かない表情で、セリフもなくこちら側に教えてくれた。俳優西畑大吾は本当にすごい。ドラマも映画も舞台もこなすオールマイティ俳優として、そして何より「アイドル」として、崇拝する二宮大先輩を超える存在に必ずやなってほしい…今回生で彼の演技を初めて見て心からそう感じた

 

・ファニーに愛の告白を迫られ、自分は船乗りとして生きるからその言葉には応えられないと断り、そして放った言葉「俺のことは忘れてくれればいいよ」

言葉の重みとは裏腹にさも軽く言い放ったマリウスのその顔を双眼鏡で見て初めて、彼の本心でないことを、悲しさを、ファニーへの届かない叫びを、私は知ってしまった。「船に乗るためなら、ファニーに忘れられても構わない」という心情だと信じていたのに、覚悟を持って割り切っているんだと思っていたのに、なのにマリウスは何一つ割り切っていなかった。マリウスはどこまでもファニーのことしか考えていなかったし、忘れてくれたらファニーの心を自分に縛りつけずに済むと思っているその優しさよりもずっと深い愛を、マリウスはこのとき既に胸に秘めていた。

マリウスはきっと、船乗りになるためにファニーへの想いを断ち切りたかったわけじゃなくて、ファニーと一緒になるために船乗りへの憧れを断ち切りたかったんだ。なんだかそう思った。でもそれは本人すら気づかない本心で、ファニーもまた気づくことができなかった

 

・「マルセイユを出て船乗りになりたい」というマリウスの考えを「マルセイユに残ってファニーと一緒になりたい」という考えに変えるべく、ファニーはあの手この手でマリウスにアプローチした。マリウスをダンスに誘ったり、幼い頃のキスの話を持ち出してマリウスを煽ったり、パニスとの縁談を仄めかしてマリウスの嫉妬心を引き出したり…そして最終手段として、マリウスに「抱いてほしい」とねだった。そうしてついに2人は結ばれ、マリウスはもうファニーへの責任を逃れられない状況となった。

それなのに、ついに目的を達成したのに、ファニーは、マリウスを、船へと導いてしまった。ファニーが冒頭の場面でマリウスに言っていた「船は女性名詞だけれど、貴方にとっては女のようなものね」という言葉。本当は、ファニーにとって船が女のようなものだった、そう思ってしまう。船を女として捉えているからこそ、ファニーにとって、マリウスにおける「船」と「ファニー」は2択でしかなかった。マリウスが本当に愛しているのはどちらなのか、一生を共にするべきは…船なのか…それとも自分なのか…。

そうして、ファニーがマリウスと夜を共にする中で導き出した答え、それは「私が彼を不幸にしてしまう」「そうして私は不幸な女になる」というものだった。「マルセイユを出て船乗りになりたい」というマリウスの夢を無理やり断ち切った自分が、彼のそばで一生を過ごしたとしてもお互いに不幸になるだけだ、そういう結論を下した。でもそれは、その判断は、あくまで「マリウスがファニーよりも船を愛している」という仮定でのこと。その仮定が誤っていたのなら、ファニーのこの決断もまた、正しいものではなかったということになる

 

・ファニーはきっと、マリウスが自分に対して抱いている本当の愛情に気づけていなかった。本当は、マリウスは、ファニーへの愛こそがすべてで、だからこそ船に憧れながらもマルセイユから出ることはなかった。そして何よりマリウスは、ファニーを抱いて、社会的にもマルセイユに留まらざるを得ない理由を作り、いよいよ船を諦める口実を、自分自身の憧れに区切りをつけるきっかけを、やっと、やっと手に入れることができた。あのときのマリウスは、私の見る限り、単に社会的責任のためだけにファニーと結婚しようとしていたようには到底思えなかった。むしろ清々しいほどに淡々と婚姻の話を進め、船の誘いも思いきりよく断り、多少の未練はありつつもひどく落ち込んだりせず、ファニーとの人生に向けて前向きに幸せそうに歩み出していた気がした

 

・ファニーがマリウスを無理やり海へ送り出してしまったあのとき、マリウスは失恋した。「恋や愛よりも大事なことがある」という言葉を、自分を愛し、自分が何よりも愛している女性から聞かされたマリウスにとって、もはやマルセイユに残る意味はなくなってしまった。「マルセイユに残ればファニーと一緒になれる」と思っていたのに、「マルセイユに残ってもファニーとは一緒になれない」という事実を、マリウスは他でもないファニーから突きつけられてしまった。1公演目のときは、ファニーの本心を知らないマリウスがファニーを置いて出て行ってしまったことに悲しくなったけれど、今は、マリウスの本心を知らないファニーがマリウスを突き放してしまったことにとても切なさを感じてしまう。若さ故、相手の本心はもちろん、自身の本当の望みでさえもわかっていない2人。そうして、その2人の本心を最も理解していたマリウスの父セザールが「マリウスと結婚する」というファニーの嘘に心から喜ぶ姿。1幕の最後、このやりきれない切なさは、私は生涯、忘れたくない。

 

*6双眼鏡で柄本明さんを見たとき、手がとても若いなあと思った。俳優さんとして、現実の父として、一人の人間として、この人はきっと毎日をしっかり幸せに生きている人なんだなあと思った。そして、かっこいい手だった

 

・郵便屋さんとか、トトとか、煙草をふかすかわいい女の人とか、カンツォーネ歌う3人組とか、町の人たちみんながとても愉快で、陽気で、そして生きていた。マルセイユという町を最大に伝えてくれた方々に感謝と尊敬

 

・マリウスの手紙を毎日待ってるセザール、自分でもマリウスを思わない日がなかったと素直に言っていて、本当に良いお父さん。節々にマリウスへの愛を表現していて、でもぶっきらぼうで、不器用で。見れば見るほど愛おしい素敵な人に思えた。

そして妊娠したファニーを「見損なったぞ!」と叱りつけたセザール、小さい頃からマリウスの幼馴染のファニーを、きっと我が娘のように思ってきたんだなあって。本当にセザールは、マリウスとファニーのことを心の底から愛している。そして2人の幸せを誰よりも願っている、温かくて、大きな、どこまでも優しい父親

 

パニスもまた、自分を散々振り回したファニーにもマリウスにも悪意をぶつけずに、すべてを受け入れて幸せへと向かっていく懐の深い大人だと思った。ファニーの縁談のときには正直もう少しズルい人だと思ってたけど、自分の資産を恋愛アプローチの手段の1つとして使おうとしただけで、卑怯な部分は最後まで何一つなかった。むしろマリウスとファニーのために、自分よりも未熟で若い2人のために、自分の望みを最小限に抑えることのできる、賢明で思いやりある男性だった。演じ方によってはもっとズルくなったり、押し付けがましくなるようなあの難しい役を見事に演じきっていた林家正蔵さん、すごいなあ 

 

・セザールが自分の孫を妊娠したファニーと一緒にマリウスからの手紙を読むシーン、それだけでも切ない状況なのに、さらにマルセイユを出て行ったマリウスの声で再生されて、なんかもう…切なかった*7

 

・自分を心配してくれているセザールへ手紙を書いたマリウス。誰よりも自分の幸せを願ってくれる最愛の父に、船旅での喜びや感動を通して「自分は幸せだ」「心配しなくても大丈夫」としきりに伝えていた。1公演目のとき、私はマリウスが幸せであることにほっとした。これでよかったんだ、誰も間違ってなかった。みんながみんなの幸せを尊重して、それぞれ少しずつ、我慢しただけ。そう思っていた。

だけど、2公演目、双眼鏡でマリウスの顔を覗いた瞬間…その考えは悲しく崩れ去った。あの場面に安堵なんて存在しなかった。残ったのはマリウスが航海に出たことへの後悔*8だけだった。セザール(とファニー)に「船乗りになったことは正解だった」「船こそが自身を幸せにしてくれる」と大げさなほどにアピールするマリウスは、その顔は、全くもって幸せそうには見えなかった。むしろ強い後悔ゆえの不幸な姿でさえあり、今にも消えてしまいそうなほど弱々しく、そして、目が虚ろだった。

照史くんがあの場面であそこまでマリウスの後悔を表現していたこと、1公演目は恥ずかしくも一切気づかなかった…一生の不覚。1幕で船乗りへの憧れを宿した瞳は、それはもうキラキラと輝いていて…それを見て私は、どうして目の輝きまで演技できるんだろうと、俳優桐山照史への畏怖の念を抱かずにはいられなかった。その、マルセイユにいた頃のマリウスの目、キラキラとした輝きは、船乗りになったマリウスの目からは跡形もなく消えてしまった。夢を叶えたマリウスは、その夢を叶えた瞬間に、それが一番の夢ではなかったことを悟った。そして一番の夢は、自分自身が遠い海の彼方へと置いてきてしまったのだと気づき、悔やんだ。

私も悔しかった…とてもとても。マリウスのバカ!なんでだよ!幸せになれよ!ファニーに導かれてしまったとはいえ、船に乗ったからには幸せそうにしてろよ!なんだよそんな覚悟もせずに船に乗ったのかよ…マルセイユを飛び出したのかよ…ファニーを…最愛のファニーを置いてきたのかよ…マリウス…幸せになってよ…。

たとえ最高の選択じゃなかったとしても、それでも無理やりにでも幸せでいてほしかった。悲しみのすべてを幸せに変えるくらい、強い男でいてほしかった。照史くんが言うように、ほんとは幸せに正解なんてない。だから、船乗りになったのなら、船乗りとして、笑顔で生きていてほしかった。でもマリウスにはそのタフさや楽観的思考はなくて、目の前の事実を、自分の境遇を「不幸」だと捉えることしかできなかった。そしてきっとそれほどまでに、ファニーを、ファニーを愛している自分を、マリウスは愛していたんだ

 

・マリウスが海から帰ってきて、みんなはファニーの赤ちゃんを囲んでいて。自分の初孫を、自分の孫だと言える日が来ないセザールを見ているだけで切なかった。だけどパニスやオノリーヌたちが赤ちゃんをバタバタと世話しているその光景は、切なくも、どこか温かかった

 

・ファニーとパニスの子どもが、実は自分とファニーとの子どもだと知った瞬間のマリウスの表情…あの一瞬の中できっと驚きや悲しみや悔しさや喜びや希望…いろんな感情をもったんだと思う。私が照史くんを見る限りでは、負の感情が強めだったように思えたけど、あのマリウスなら、自分の子どもが生まれたと知ればきっと、いや必ず喜びも抱くに違いない。あの瞬間の演技は、セザールが自分の初孫だと知った瞬間と同じくらい、いやそれ以上に難しかったんじゃないかな*9

 

・育ての親のパニスが一切をかけて愛情を注いできたその赤ちゃんを「俺の子」と言い張るマリウス、その姿は…パニスが言うように、ファニーを諦めたくないという執念の現れだった。だけど自分が血を分けた子どもを自分が育てられないのは、最愛のファニーと一緒に家庭を築けないのは、それはマリウスが歩んできた道の結果であって。自分のしてきたことに対しては、やはり自分で責任を取らなければならない。マリウスの気持ちは痛いほどよくわかるし、誰でも人生において失敗することはあるから本当は許してあげたい。だけど、だからといって、自分が幸せになるためにパニスから一番の幸せを、赤ちゃんを奪うことは決して許されることじゃない。

その事実を、最後は父親であるセザールがマリウスに突きつける。マリウスだって本当はわかってるはず、パニスからファニーや赤ちゃんを奪っていいわけがないって。だけどマリウスは一度自分の幸せを、ファニーを諦めて後悔しているから、だからそう簡単には引けない。自分のなすべきこと、なさざるべきことがわからなくなってしまったマリウスを殴り、強く強く叱りつけたセザールは、そんなマリウスのすべてをわかってあげていたんだと思う。マリウスのつらさを一番理解していたのは、唯一の肉親で、毎日一緒に生活してきたセザールただひとりだった。そんなセザールが手塩をかけて育ててきたマリウス、誰が見てもひどい叱り方をされたのに、最後は船乗りとして稼いだお金をセザールに渡す。「俺がもっと愛情を注いでおけば」と漏らした父セザールが十分なほどに愛情を注いできた息子マリウスは、瞬時に父親の愛情を理解し、父親からの示唆を悟り、自分の進むべき本当の道に気づいて、素直にその通りに進んでいく。そしてそれを受けた父親セザールは、「本当は我が子にそばにいてもらいたい」「マリウスには、ファニーと子どもと一緒に、誰に迷惑をかけることもなく普通に、幸せになってほしかった」という本心、その叶わぬ想いをほんの一瞬の涙に収める。本当に、本当に素敵な親子だと思った。そして、照史くんと柄本さんの間合いが、とてもとても、完成されていた

 

・セザールと別れの挨拶を済ませたマリウスに、「あら、私にはお別れの挨拶はしてくれないの?」と声をかけるファニー。ファニーもファニーでまた、マリウスへの愛を捨てきれず、自分が独断と偏見で諦めた最愛のマリウスと、できれば、できる限りで、愛を確かめ合っていたいという、若さゆえの未熟さがある。ファニーがマリウスの本当の想いに気づき、そうしてファニーが抑えていた自分の本当の想いをマリウスに伝える。本当の意味で相思相愛だったのだと気づいたとき、もう2人が一緒になることは決して叶わない状況で。だからこそ、その2人が互いに、互いへの愛を歌う最後の場面が、それが、とても切なくて、悲しくて、どうしてこうなってしまったんだろうって、つらくて、気づけば涙が止まらなくて。

マリウスが帽子に泣き顔をうずめながら賑わうマルセイユの中に消えていき、それを見送ったファニーが本当は1年半前のあの船が出る前に呼び止めるべきだったその名前を叫ぶ…

 

「マリウス」

 

 

 

・ラストシーンでは、やっぱり泣かずにはいられなかった。でも、1公演目とは違って、2公演目で流したその涙は、マルセイユの人々…とりわけマリウスとファニーの挫折への共感の涙だった。

この物語は、悲劇ではなかった。なぜなら、登場人物が誰一人として不幸にはなっていない。たしかに誰の望みも完全には叶わず、つらい境遇が重なって、最終的には悲しみの涙を流すことしかできなかった。だけど、常に誰かが誰かを想い、そして誰かに想われていた。私は、この物語の中で一番幸せなのは、他の誰でもない『マリウス』だと思う。マリウスこそが、最も他人に幸せを願われていて、そしてそのために他人に涙を流させた。またそれほどまでにファニーとセザールから深い愛を注がれていたマリウスも、自分では気づけないほどの大きな大きな愛を、ファニーとセザールに心の奥底から抱いていた。

幸せの定義は様々あるけれど、私は、幸せを想い合える人たちに恵まれていることこそ、最高の幸せだと思う。その点、マルセイユは本当に幸せな空間で、不幸な人など一人もいなかった。そして、その中で悩みもがいていた若いマリウスとファニー…その2人を囲む大人たちは、彼らの選択を優しく見守り、困ったときには進むべき道へと導き、挫折を挫折と教え、人として取り返しがつかなくなる過ちを決して犯さないように叱咤し、そしてまた幸せな人生を歩めるようにすべてを受け入れて背中を押す…。こんなにも素敵な大人たちがいる空間、そこに生きるマリウスとファニーは、絶対に不幸にはなり得ない、そう私は確信することができたから、私はもう、この物語を悲劇だと思うのはやめた。

それに、パンフレットを読んでみると、続編の中でマリウスとファニーは20年後にその想いを成就させたという記述があった。おそらく、パニスの亡き後に、息子のセザリオ*10と3人で暮らしたのだろう、わからないけど。

とにかく、挫折を経験しながらも、みんなで支え合いながら幸せへと向かっていくこの舞台は、「音楽劇マリウス」は、間違いなく、喜劇でしかなかった。そこに気づけた私もまた、幸せでしかない…ありがとう*11

 

・2公演目は、カーテンコールで照史くんが美織ちゃんの真似をしてスカートの裾を掴む振りをしていた。ほんとどこまでも、みんなを楽しませる人

 

 

以上、細かい感想はこれで多分終わり。

 

千秋楽の中で、照史くんが「再演は翼くんがいい」と言ったこと、美織ちゃんが「翼くんと同じ表情のときがあった」と言ってくれたこと、そのレポを見て私が泣きじゃくってしまったのは、やっぱりそれは、今回の主演が「翼くんの代役」だったから。

照史くんの初単独主演だとしても、どれだけ照史くんがマリウスを自分のものにしても、それでも、どこまでいってもこの舞台の主演は、今井翼くんだった。それは照史くんにとっても、監督やキャストやスタッフにとっても、そして照史くんファン、翼くんファンにとっても。

ラストのシーン、マリウスが泣き顔をうずめていたその帽子は、それは、翼くんが初演のときに手作りした帽子で…もはやそれは翼くんそのもので。翼くんがマリウスとして涙を染み込ませたその帽子に、今回は代わりに照史くんがマリウスの涙を染み込ませ、そうやってマリウスの人生を繋いだ。

私の大好きな桐山照史くんは、演技が上手いだけじゃなく、きちんと人の想いを大切にできる、そしてその上で自分のやるべきことをやりきることのできる、本当に本当に素晴らしい人間だった。だから彼が、あの最高に温かいマルセイユの町に呼ばれたことは、俳優としてだけでなく、人間として、本当に必然だったように思えてならない。

そしてまた、最初に呼ばれた初演の今井翼くんこそが、やはり俳優界の中で最もマルセイユのマリウスを演じるべき人間だったんだと本当に強く感じた。自分が出れなくなっても、代役の照史くんのこと、音楽劇マリウスのことをどこまでも想い、最後まで成功のために心身を尽くしていた。

そんな翼くんの演じるマリウスは、きっと照史くんとは全く違うマリウスで、だからこそ照史くん色がどう出ていたのか、また本来のマリウス…翼くんマリウスがどのような人物なのか、それを見たいと私も心から思う。

 

 

今井翼キャプテンが見守る「音楽劇マリウス号」は、その航海を、ついに終えてしまったけれど、不思議とロスがなく、今はとても清々しい。

「観たあとで何か心に残るように」という照史くんの言葉の通り、私の中にはとてもとても大切なことがたくさん残った。

それについては、ちゃんと書けたら、また改めてまとめようと思います。*12

 

 

音楽劇マリウスは、自分にとって、生活の中で何度も見返したい、自分の見たいときにいつでも見られる状態にしておきたい、そう思えるくらい自分の人生においてかけがえのない作品。

もう要望は出したけど、心の底から円盤化してほしい…どうか…どうかーーーー!*13

 

 

千秋楽の挨拶、自分が話すときに泣かなかった桐山照史くん。泣き虫を克服してまた一つ素敵な男性になった彼のことを、私はまた…どんどん…ますます好きになってゆく。

 

そして代役主演として見事にマリウスを演じきった桐山照史くんは、俳優的にも、人間的にも、そしてビジュ的にも、とんでもなくイケメンで、格好良かった。

 

私の知ってる桐山照史くんは、こんなにイケメンだっただろうかと、彼が一人でフラメンコを踊っているときに不安になるくらい、それくらいイケメンだった。

 

今まで私は「イケメン」という言葉を、藤井流星佐藤勝利や、その他世間一般的に美貌を認められている人たちにしか使うことができなかったのだけど、これからは違う。

 

 

私の大好きな、ジャニーズWEST桐山照史くんは、正真正銘の、

 

『イケメン』

 

です!!!!!!!

 

 

最後にこうなってしまうのはヲタクの性、どうか許してください…

 

ということで!

音楽劇マリウス!

本当に!

本当に!

本当に本当に本当に

 

 

ありがとう

最高!!!!!!!

 

 



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※ブログ中の台詞には、正確でないもの(ニュアンス)もきっとあります、すみません…!

※このブログの内容は、あくまで私の独断と偏見における解釈です

※とんでもない長文、お読みいただき本当にありがとうございました!!!!!!!

 

*1:6月22日夜と6月23日夜

*2:何の話?

*3:でも照史くんよりは身長低かったからやっぱり…???

*4:白ストライプシャツに紺スキニー

*5:でもいざというときのためにずっと膝の上に置いて握りしめてた

*6:箇条書きだというのを忘れてしまうくらい長文書き連ねてたのでここらで一旦軽いのを挟みます

*7:切ない以外の言葉が見つからない、見つけたいのに

*8:気づきましたか?そうですダジャレです

*9:しかし、そんな複雑な場面で、私はふと赤ちゃんの顔を双眼鏡で覗いてしまった。そしたら、赤ちゃんが、フランス人形みたいな色白肌&ぱっちりおめめで…マリウスとは似ても似つかないその顔に私の感情も泣き笑いの複雑なものになってしまった(笑) あの顔だったら、パニスの方がそっくり…かな…爆

*10:ファニーがセザールとマリウスを想って名付けたのかもしれない

*11:ブラッドブラザース、アマデウスの2つを観てきた私にとって、自担が死なずに幸せな人生を歩み続ける舞台は初めてだった…幸せ

*12:書けないときはすんまへんby郵便屋さん

*13:ちなみに要望フォームはこちらです→https://service.shochiku.co.jp/form/pub/dvd/request