オレンジ色のお守り、ではなく
先日経験した、2週間の自動車免許合宿。
心身ともにキツい毎日の中で私は事あるごとに、オレンジジュースを抱きしめていた。
大事な試験がある日には必ず、オレンジ色のパーカーを着た。
食堂から寮へ帰るとき、私がいつも見つめていたのは食堂の従業員口に咲く、オレンジ色の花だった。
オレンジ色、それは私が愛してやまないジャニーズWEST桐山照史くんに与えられたメンバーカラー。
私にとってオレンジ色は、すなわち照史くんを意味している。
特にアイドルのメンバーカラー文化に接したことのない人からすれば、私が今言ったことは理解しづらいかもしれない。
でも私は、オレンジ色を見るとそこから照史くんを連想する。
だから私にとっては、オレンジジュースも、オレンジ色のパーカーも、オレンジ色の花も、全部照史くんだった。
合宿を無事に卒業して、今日(6/11)の学科試験に合格した私は晴れて、念願の自動車免許を取得した。
私の手が試験を解いていたとき、その爪に塗られていたネイルは、オレンジ色だった。
初めて手にする免許証。
そこに写る私はお気に入りの、オレンジ色のワンピースを着ている。
ネイルも、ワンピースも、オレンジ色であるということはつまり、どちらも照史くん。
最近、オレンジ色をよく店頭で見かける。
もしかしたら今年のトレンドにオレンジ色が入っているのかもしれない…そう捉えていたけれど、だんだんそうではないような気がしてきた。
私はおそらく、日常風景の中にあるオレンジ色の存在に、これまでにない異常なレベルで気づいてしまっている。
「オレンジ色過敏症」とでも呼べばいいのだろうか。
視界に映る景色の中から無意識にオレンジ色が判別され、そのまま無防備な私の思考に突如として飛び込んでくる。
そうして私が生きる世界は、照史くんだらけになった。
照史くんは私を安心させてくれるから、オレンジ色は私を安心させてくれる。
だから私にとってオレンジ色は、安心をもたらすお守りのような存在。
こうしてただのオレンジ色は、照史くんのメンバーカラーという事実を介することで、私にとってのお守りになった。
オレンジ色のお守り、ではなく、オレンジ色がお守り。
もしあなたが現にアイドルを応援しているのなら、そのアイドルのメンバーカラーはあなたにとって、一体、なんですか?