理由なんてきっと

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桐山照史くんに転がされるblog

恋愛ゲームアプリ『I♡愛♡WEST』期間限定イベント「バレバレンタイン」〜桐山照史ルート〜

今日は待ちに待った、2月14日。

 

いつもより浮足立っている職場では、女性陣たちが始業前や休憩中に可愛らしいパッケージのチョコを周りの同僚や上司に配っている。

 

(とりあえず、一通り配り終わったかな。)

 

私も皆と同じようにいわゆる"義理チョコ"や"友チョコ"を配り歩き、それが終わってからは終業時間まで目の前の仕事に専念した。

 

 

〜終業時間〜

 

定時になり、仕事を終えた人たちが帰る準備を始めている。

 

(やっと今日の仕事が終わった!だけど私は、まだ帰れないんだよね…。)

 

自分のカバンの中にあるオレンジ色の箱に、そっと目を向ける。

箱の中身は、この日のために事前練習までして作ったガレットショコラ。

 

(なんとしてもあの人に渡さなきゃ。でも、どうしよう…緊張して勇気が出ない…。)

 

意気地なしの私が立ち往生していると、仕事を終えて雑談に賑わう職場内で1人の男性が近づいてきた。

 

??『今日も仕事、おつかれさん』

私「あ、桐山さん!お疲れ様、です。」

 


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私がチョコを渡そうとしている相手、それはまさしく今私の目の前に立つ彼、桐山照史さん。

 

(え、うそ!彼の方から来てくれるなんて想定外!)

(でも、ちょっと待って私…一旦落ち着こう。普通に考えてみれば、今日引き継ぎした営業案件のことを聞きに来たのかも…。)

 

桐山さんは我が営業課のエースで、その腕の凄さとコミュニケーション力の高さを理由に、社内でも一目置かれる存在。

だけど目立たない私たち営業事務員にまでいつも感謝の言葉をくれたり、お菓子の差し入れで労ってくれる、とても優しい人。

 

桐山『なあ、俺もらってないんやけど。』

私「え?」

桐山『今日俺外回りばっかやって、夕方やっと職場戻ってきたら周りはみんなチョコとかお菓子とかたくさん持っててん。別にチョコが好きとかやないんやけど、俺だけ1個ももらわれへんのはなんか寂しいわ。』

 

(え、そうだったんだ!)

(でもそういえば私の義理チョコも思ったより多く余ってた気がする。)

(桐山さんには本命チョコをあげることで頭がいっぱいだったから、義理チョコの方を渡し忘れちゃったのかも。)

 

私「そうだったんですね…!私も渡しそびれていたのに気づかなくてすみません。」

桐山『いや、それはええんやけど…』

 

思いがけず訪れた、本命チョコを渡すのにこの上ないラッキーチャンス。

私はそれを逃さぬよう、素早くカバンに手を入れて自然に話を切り出した。

 

私「だったらここにまだお菓子が…」

桐山『別にチョコとかはええねん。チョコは要らんから、飯付き合って?』

私「え…?」

桐山『今日の夜空いてる?もし嫌じゃなければ、たまには一緒に飯でも行こや。仕事の話も聞きたいし。』

私「あ………はい…空いてます……行きます…!」

 

(え???これって現実???)

(桐山さんとご飯行けるの???私が???)

 

桐山『なんやボーッとしとるけど大丈夫か?』

私「え、あ、すみません…!大丈夫です!」

桐山『ほんなら1階で待ち合わせしよか。仕事少しだけ残ってるから、それ終わったら俺も向かうわ。』

私「わかりました!」

 

さっきまで聞こえていたはずの周りの雑音が、自分の心臓の音でかき消されて耳に届かない。

夢か現実か全く区別がつかずに、私は何度も自分のほっぺたをつねってみた。

 

私「痛っ。」

 

(夢…じゃない!)

 

夢のまた夢だと思っていた桐山さんとの食事デート。

何が起こったのかもあまり把握できないまま、自分の体温だけがいっきに上昇していく。

ふわふわとした高揚感に包まれながら帰る準備を進めていると、渡せなかったオレンジ色の箱がふと目に留まった。

 

(そういえば、チョコ渡せなかったんだ。)

(要らないって言われたから、渡さない方がいいのかなあ…。)

 

気持ちと気合いを込めて作った、渾身のガレットショコラ。

それは舞い上がる自分の気持ちとは裏腹に、ちょっとだけ寂しそうにカバンの中に残っていた。

 

 

〜食事デート〜

 

桐山さんと私は無事合流し、会社近くにある桐山さん行き付けのお洒落なダイニングバーで2人、食事と会話を楽しんでいた。

 


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桐山『ほんま、おもろいわ。』

私「桐山さんの方こそ、いちいち面白くて私の腹筋がもちません!」

 

まるで初めての食事とは思えないほど、私と桐山さんとの時間は、終始笑いも話題も絶えることがなかった。

 

(私、こんなに幸せな時間を過ごして大丈夫かな?寿命が近かったりして?)

(しばらくは夢見心地だろうけど、事故やミスには気をつけよう。)

 

時間も忘れて2人盛り上がっていると、店員がラストオーダーを取りに来た。

気づけば終電も近づき、周りのお客さんもほとんどいなくなっている。

 

桐山『そろそろ店出よか?』

私「そうですね、お会計しましょう。」

桐山『ちょっとトイレ行ってくるから待っててな。』

私「わかりました。」

 

少しして桐山さんが戻ってくると、彼はせっせと帰り支度を始めた。

 

私「あれ?お会計は…」

桐山さん『もう終わってる。せやからほら、帰るで?』

私「え、はい…!」

 

桐山さんに帰り支度を催促され、慌ててコートを羽織って彼の後を追う。

そしてお店の人にお礼を告げて外に出た私たちは、そのまま駅の方へと向かっていた。

 

私「今日は、本当にありがとうございました。ご飯のお誘いだけでも嬉しかったのにお会計まで……いや、やっぱり申し訳ないので私にも払わせてください!」

桐山『それはあかん。』

私「でも…」

桐山『急に誘ったのは俺の方やし、年末のボーナスもおかげさまでたくさんもろてるから。それに…』

私「?」

桐山『お菓子、くれはるんやろ?』

私「え…?あ、それは…」

桐山『あそこで受け取ったらご飯誘えんくなる思ってさ。でも、あのとき俺にお菓子渡そうとしてくれはったやんな?』

私「聞こえてたんですね…その通りです。」

 

私は、カバンの中に取り残されていたオレンジの箱を取り出し、そのまま桐山さんの前に差し出した。

 

私「これ、ガレットショコラです。」

桐山『ガレットショコラ?』

私「はい。桐山さん、チョコの食感が苦手だって小耳に挟んだので、軽い食感の焼き菓子だったら食べやすいかなあって思って。」

桐山『え、それって…元々俺のために用意してくれてはったってことやんな?』

私「あっ…」

 

チョコに込めた想いをあっけなく桐山さんに気づかれてしまった私は、恥ずかしさで全身の血が昇っていくのを感じた。

 

(どうしよう、まだ告白もしてないのに何もかもバレちゃった…。)

(でももう後戻りはできない…けど…やっぱり答えを聞くのはこわいかも…。)

 

私「私、お菓子はたまにしか作ったことがなくて、それにガレットショコラは初めてで…だから要らなかったら捨てて下さい!」

 

悲しい答えを避けたくて、私は半ば投げやりに言葉と本命チョコを桐山さんに押し付けた。

私が桐山さんの目を見られずにそのまま俯いていると、箱を持つ私の手を桐山さんが優しく包んだ。

 

桐山『手作りって、義理チョコでもあり得る?』

私「へ?」

桐山『男は単純やからさ、手作りイコール本命って認識やけど…合ってる?』

私「女の人も、多分、そうです。」

桐山『そっかあ…。よかったあ、安心したわ。』

 

(安心…?どういうこと…?)

 

イマイチ状況が飲み込めず、私は自分の手を箱ごと桐山さんに握られながらその場に固まった。

すると桐山さんが、そんな私を見て優しく微笑んだ。

 

桐山『俺やって、わざわざバレンタインにデート申し込むのは義理やないんやけど?』

私「…?!」

 

(え、待って?!義理じゃないってことは…それって…)

 



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桐山『チョコ…いや、俺のためのガレットショコラ、ほんまに嬉しかった!

俺にとっても○○は本命やから…よければ、ぜひ付き合ってください。』

 

私の手を握る桐山さんの掌が、急に熱くなった気がした。

でもその温度が私に、今の状況が夢でないことを教えてくれているようだった。

 

私「私なんかで、いいんですか…?私の何が…」

桐山『良いところ、ありすぎて困ってまう。』

私「そんな…それを言うなら桐山さんの方こそ…!」

桐山『待って!とりあえず答え、聞きたいんやけど…。』

 

桐山さんが私の何処に惹かれたのか、私には何一つ思い浮かばない。

でも、桐山さんは確かに私を好きでいてくれている。

その証拠に、告白は桐山さんの方からだった。

私にとって本命の桐山さんからの告白、願ってもないほどの奇跡を前に少し足がすくんでしまうけれど、私に断る理由は何一つない。

 

私「最高のバレンタインを、ありがとうございます…。これから、よろしくお願いします…!」

桐山『ほんまに?!え、どうしよう、めっちゃ嬉しい…!ありがとう、こちらこそこれから恋人として、ほんまにどうぞよろしく!』

 

桐山さんが照れ笑いを浮かべ、熱くなったその左手で本命チョコを私から受け取る。

そして空いた私の手をすぐに彼の右手が握って引き寄せ、気づけば私は桐山さんに抱き締められていた。

初めての距離に、心臓の音が大きく鳴り響く、私も、そして桐山さんも。

 

2人重なり合って流れる、チョコよりも甘い時間。

夢…じゃない、私の、バレバレンタイン。*1*2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:このお話は、とあるフォロワーさんからの「(´◇`)チョコはいらんから飯付き合って」というバーチャルチョコからもくもく考えました♡

*2:今回はずーっと画面をタップし続ける、分岐なしのスチルをイメージして作りました笑